JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

自作デジモードインターフェイス

無線機のアクセサリの中で比較的簡単に自作できるものとして、RTTYを始めPSK31, JT65A/B, SSTVなどのデジタルモードのインターフェイスがあると思います。たいした工作じゃないのですが、これまでたくさん作ってきましたので、少しご紹介します。

このインターフェイスの機能としては、

  1. 無線機の復調アナログ信号をパソコンのサウンド入力へつなぐ。
  2. 逆にパソコンのサウンド出力を無線機の変調入力(マイク入力)へつなぐ。
  3. PTT信号をPCで制御できるようにする。
  4. PCで発生させたPSK信号を無線機へつなぐ。

でありますが、オマケとしてPCキーイングの制御などもあります。また必要に応じて、PCへのRF回り込みやノイズ対策として(1), (2)においてアナログ信号を絶縁トランスなどでPC/無線機間を分離したり、入力/出力レベルを調整できるようにしたり、(3)や(4)においてもフォトトランジスタなどで絶縁分離したりします。
PCの制御方法はRC-232Cシリアルで行われるのが普通です。シリアルポートが付いていないPCも多いため(特にノートPC)、USB-シリアルアダプタを介して接続されるのが一般的になってきたと思います。



移動運用でよく使うFT-857やFT-817でRTTYを運用するために自作しました。したがってAFSKによる制御です。アナログ信号の分離には1kΩ:1kΩのドライバートランス(シオヤ無線電機商会で購入)を使用し、PTT制御は汎用トランジスタでスイッチングしています。この程度の回路ならば平ラグに載せてコンパクトに作ることができます。USBタイプのサウンドアダプタとUSBシリアルアダプタをノートPCにつなげて運用しています。



ICOMのリグでのRTTYはFSKが一般的なのでFSKにも対応し、さらにUSBシリアルアダプタも無理やり内蔵させたものも作りました(コネクタも廃し超低コスト)。秋月電子通商FT232RLモジュールを使用しました。



専ら固定機用に使っているインターフェイスです。以前はPTT/PSK制御にUSBIF4CWを使っていましたが、仮想COMポートドライバがWindows7に対応しておらず不便を感じたので(仮想COMポートドライバがないとMMシリーズ以外のソフトでPTT制御が不可能になってしまう)、普通のシリアルポート用に作り変えました(不要な穴がたくさん開いている(^^;)。ケース内にぽっかり開いている空間がもったいないのでリグやPCからの信号をスピーカーに鳴らすパワーアンプ(TDA2003)の回路も載せました。USBシリアルアダプタには秋月電子通商モジュールを使い(なおこのモジュールを使用すると、DTR, RTS端子は負論理なので、トランジスタ等で論理を正に戻す必要があります)、絶縁トランスは山水のST-23(2kΩ:2kΩ)を使いました。JT65A/BやPSK, AFSKで変調レベルを微調整したいときに便利なように可変抵抗に10回転ポテンショメータを使いました(正直必要ないです(^^;)。

インターフェイス部の回路図はごく一般的なもので、例えばJH3GXF局のこの記事とほぼ同じものです(当局のものは絶縁トランスで結合されていますが)。

こないだの北海道移動運用でIC-7100を運用して気になったのが、リグ内臓のRTTYデコーダのプリントとPC(MMVARI使用)上のプリント結果では微妙に異なり、ノイズすれすれの信号ではリグ内蔵のデコーダーでは正しく復調されるのに、PC上ではさっぱり文字にならないということです。リグのデコード結果を見ながら手打ちでQSOしたという有り様です。
安物のUSBサウンドアダプタ(Sound Blaster Easy Recode)を使用したせいだろうとわかっていたのですが、先日きこり氏の記事を拝見し、ワンランク上のUSBサウンドアダプタSound Blaster DMPHD2の導入をを試みました(実際にこれで音楽を聞くとクリヤーな再生音で驚いたほどです)。僅かな違いですが、無入力時のMMTTYのXYスコープでこのような違いがありました。これで少しはデコード率が改善できるのではと思います。

改善前のXYスコープ(オンボード

こちらが改善後のXYスコープ(Sound Blaster HD)