JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

終段バイポーラトランジスタDCアンプ

先日、スイッチング用パワーMOS FETで作ったミニDCアンプの製作を紹介しました。ここ1週間ほど毎日使っていたところ、
 ・放熱が悪い (一応、温度補償の効く範囲ではあるが)
 ・高音域の歪みが気になってきた (サ行がハッキリと聞こえない気がする)
 ・出力に余裕がない
と気になるところが出てきました。真空管式のアンプならば回路変更が大変なので、そのまま我慢して使っているところなんですが、半導体式ならば基板ごと変えれば回路換装が簡単です。高域は位相補正のやり方や、デカップリングコンデンサを変えると、驚くほど音質が変わりますが、せっかくなので、やはり基本に戻ってバイポーラトランジスタを終段にしたDCアンプに作りかえることにしました。ケースとVR、端子類は使い回しです。
回路は、初段デュアルJFET(uPA68H)の差動で、ブートストラップカレントミラー負荷です。2段目はNPN-PNPの対称定電流負荷(2SA944/2SC1185)、3段目はコンプリエミッタフォロワドライバ(2SA1680/2SC4408)、終段は2SA1302/2SC3234です。バイアスには2SC3421を使って終段の放熱器と熱結合しています。電圧利得は20dBで、回路のアチコチに位相補正回路を差し挟みました(説明が長くなるので省略)。
歪み計で測定しながらアイドリング電流の最適値を決めたところ、70〜100mAで3次高調波レベルが最小になりました。歪みの主はスイッチングノイズですが、この挙動は石のロットによっても異なるようです。今回は大きい放熱器を付けて、シャーシに熱を逃がしていますので、100mA流しても放熱器がちょっとぬるくなるだけで済みます。

さて、出てきた音ですが、第一印象はさわやかな音。高速で立ち上がりがシャープ。サ行がハッキリと聞こえました。正しくスピーカーのコーンを駆動しているのが実感できます。先のFETアンプと比べると全くの別物のように感じます。しばらくこれを使ってみて、気に入らなくなったらまた改造することにします。次は電源を強化したいところです。