JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

6L6系

最もオーソドックスな現代パワービーム管の6L6系です。ご存じの通り、元祖はメタル管6L6ですが、その後ST管、オクタルGT管に発展し、様々なタイプが生まれました。最も使われているのは耐圧の高い6L6GCだと思います。現行でも作られている球です。ピン配列が他のビーム管(EL34、6550など)と共通なので、差し替えることが可能な場合があります。EL34のサプレッサグリッドのピンを設置しておけばどの球でも差し替えできます。もちろんグリッドバイアスやプレート、スクリーン電圧の制限を受けますので注意しなければなりません。

3極管にしてもUL接続にしても値段の割に音が良いので、始めてアンプを組む方には良い球かと思います。ただし、初段の5極管、6L6も5極管接続にしてしまうとダンピングが小さすぎて物足りない音になってしまいます。ついNFBを深めに掛けてしまうので、音が平板になりがちで、台無しになります。ゲインを欲張らずに、初段は中μ3極管のSRPPか低μ3極/5極のハイゲインSRPPか、中μ3極管の差動増幅にして、出力インピーダンスと歪みを小さくするのが大事です。すると、出力管は5極管にしても結構聞ける音になります。この傾向は6V6でも同様ですし、シングルアンプでも同様です。ゲインが欲しければ、グリッドバイアスを固定にして、プレート電圧はなるべく高めの方がよいです。

6L6シリーズで特に有名なのが、807です。この球はアマチュア無線の世界でよく使われた球で、中和なしで28MHzまでの終段に使えるそうです。変調段にもたくさん使われOM各局に愛された球のようです。発振は6BD6、逓倍励振は12BY7か6CL6、終段は807というのがよくある構成だったそうです。