JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

電子工作に関する書籍 その4


この表紙を見て「あっ」と思った方は当局と同世代か少し上の世代の方ですね。
このシリーズは主に、電子工作、アマチュア無線、ラジコン、鉄道、ロボット、写真、オーディオなど“テクニカルな”趣味を扱っている本で、今ではとっくに絶版になっていますが、当局は子供の頃にこれらの本をいくつか所有して、毎日のように読んでいた記憶があります(笑)。あわせて初歩のラジオラジオの製作という雑誌を定期購読していました(しかも近所の本屋で予約までしていた)。
この『たのしいエレクトロニクス』はICを使った簡単な電子工作の製作例が多く、回路の中身を解説するタイプの本ではなく、あくまで電子工作そのものを楽しむため、つまり、動かして面白そうなものばかりです。電子ルーレットを作った記憶があります。一発で動いて、えらく感激した記憶も残っていますね。
他にも、「テスターの上手な使い方」「電子オモチャの作り方」「アクリルロボット工作」「ディジタルICのいたずら」「ICを使った電子工作」「ホームエレクトロニクス工作」も持っておりました。

  • 実験して学ぶ高周波回路/CQ出版社刊


CQ出版社の『RFデザインシリーズ』で、著者は元アイコムの技術者の櫻井紀佳氏です。氏はアイコムのDSPやDDS回路開発のパイオニアだそうで、我々アマチュア無線家にとってたいへんお世話になっている方です(^^;。
本書の中身ですが、現代的な高周波回路がバッチリと解説されており、製作例もプロの技術者らしく、高周波的に高性能な表面実装部品を多用しています。本物のリグの中に使われている回路が載っていたり、広帯域増幅ICの詳しい解説があったり、ダイレクトコンバージョン方式の新たな可能性を示唆していたり、ちょっとマニアックなFM復調方式が紹介されていたりと、ありきたりな高周波回路製作記事に飽きた人にはたいへん面白い本です。紙面の都合のためか、解説記事が少し物足りない気がします。


トランジスタ回路を広く(オーディオアンプ以外にも)学習するには良い本です。タイトル通り設計手法に力を入れて解説されています。オーディオアンプだけでなく、電源回路、高周波回路も実に丁寧に解説してあり、製作例も実用的でした。ビギナーだが自分なりにオーディオアンプを設計してステップアップしたいという方には、よい参考書になるかと思います。書店でもよく見かける本です。売れているのでしょうか。

1966年の同タイトルの本を復刻したもので、国内外の真空管の使い方が解説されています。真空管トランジスタと違って、個々の球に特徴がハッキリとしています(これが真空管の醍醐味の一つなんですが)。それぞれの球が詳しく解説してあり、代表的な回路が載っていたりします。用途はオーディオアンプに限らないので、例えば、6CB6や6360などオーディオマニアには縁遠い球の解説もしっかりあります。興味深いのは冒頭の解説記事の「最大定格を超えて使うには」という項では、807に120Wを入れても別になんでもない、とか、6V6に扇風機で風を送ると60Wでどうもないとか、結構過激なことが書いてあります(笑)。


著者は黒田徹で、トラ技で連載されていた記事(付録基板付きの特集)をまとめた本です。DCアンプの動作を簡単且つ詳細に解されされた貴重な記事です。当局も付録基板を持っていなかったのですが、本書を参考にしてオールバイポーラトランジスタパワーアンプをこしらえました。0.003%以下の低歪みを実現(測定限界以下)しました。高性能なアンプを自分で設計したい方には参考になります。



一見して真空管アンプの本とは思えないのですが(笑)、武蔵野電機製作所が発行している、中堅以上の真空管の技術書です。中身は真空管の理論と実践を知り尽くしている往年の技術者の方が執筆していると思われ、しっかりとした内容になっています(ただしやや読みにくい)。負帰還回路や過渡応答などの解説は他の書よりも圧倒的に詳しい。さらに、省略されがちな音量調整や定電圧回路にもちゃんとページを割いています。また、SEPPだけでなく超三極接続にも触れており、興味深いものがあります。