JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

ThunderBolt起動

先日のハムフェアで買ってきたThunderbolt GPS Disciplined Oscillatorを起動させてみました。これはGPS衛星から電波を受信し、その信号に含まれている時刻情報を校正クロックとする10MHz基準周波数発生器です。GPS衛星に搭載されたセシウム原子時計が刻む非常に正確な信号に基づいているので非常に正確な10MHzが取り出せるというわけです(1秒間隔のパルス信号も取り出せます)。この10MHz信号を各種測定器の基準信号として使えば、正確な周波数測定が可能となります。本来はプロ向けの装置ですが、一部のオーディオマニアがCDプレイヤなどのマスタークロックに使い出して、アマチュアにも有名になったとか。今回手に入れたのはだいぶ前にオークションでたくさん出回っていた古いバージョンで、現行品とはちょっと違います。

本体は完成品ですから、こちらでやることといえば、ケーシングと電源の用意くらいです。厄介なのが用意する電源が±12V、5Vの3系統必要とのこと。手持ちの±15V, 5Vの小型スイッチング電源を使おうと腐海から発掘してきましたが、仕様によると+12Vの容量が足りず(530mA食らう)、結局SW電源2台搭載することになりました。-12VはSW電源のOUT-15Vを7912でドロップして対応しました。

腐海からちょうど良い大きさの古いリードのケースがあったのでこれをちょっと加工。10MHz出力を前面パネルに引き回して、他はケースごと背面パネルに取り出しました。こんな感じです。

アンテナはaitendoで買ってきたGPSアンテナです。+5Vのアクティブアンテナであればなんでも良いそうです。適当にケーブルを延長しベランダの手すりの上において設置。空全体の半分くらいしか見えません。

RS-232C経由でThuderBoltの状態をモニターすることができます。本家Trimble社よりTboltmon.exeというモニタ&設定ユーティリティソフトをダウンロードしてきて起動すると時刻やアンテナ位置、衛星の受信状態などがリアルタイムに表示されます。ThunderBoltを起動させた後、時刻を取得するのに数分、アンテナ位置の緯度経度を取得するのにさらに数分、十分な精度で10MHzを発振するまでは30分くらいかかりました。

出てきた信号を手持ちの周波数カウンタに入れてみました。結構ズレた値になっています。絶対値がズレているのはカウンタがずれているのでしょう。起動後数1時間経つと周波数カウンタの基準クロックが安定してきて、10mHzの桁が動かなくなりました。

ルビジウム発振と違いそれ自体が正確で校正不必要な10MHzを手に入れることができるので何かと便利だと思います。周波数カウンタの校正用クロックに使用すると十分すぎるくらい高精度です。