JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

久々に真空管アンプ その4

やはり、土日が来ないと工作が進みません。一応、完成です。
前回書いた通り、電圧増幅段と位相反転段を、ごく普通の6SL7GTパラのカソード接地と6SN7GTのカソード結合(ほとんど差動と同じ)の直結へ変更しました。カソード結合段は前段と直結なので、供給電源電圧が420V、カソード電圧が113Vと比較的高く、H-K間電圧が規定の100Vを超えているのが心配でしたが、6SN7GTのみヒーター巻線を別にしてヒーターの一端をカソードにつなげてバイアスしてやりました(電源を入れた直後のH-K間電圧が高いときに盛大にハムが出ます)。いろいろ対策を講じましたが、残留ノイズ(=ハム)がなかなか取れなくて、悩みましたが、球を変えてやるとずいぶんとおさまりました。H-K絶縁が原因だったのでしょうか。本アンプは3段増幅構成なので、モーターボーディング発振に気をつけなければなりなせん。各段に47〜100uFのバイパスケミコンを大量投入してなんとか防いでいます。

負帰還は約10dBかけて、100pFの位相補正のみです(EL34装着時)。10dB以上負帰還をかけて100pFよりも大きくすると、VRの両端で発振してしまいました。また100pFよりも小さいとリンギングがひどくて使い物になりません。出力トランスのクセだと思われ、局部帰還と組み合わせないとダメそうです。

モノラル構成でアンプを組むと、電源容量に余裕が出てくるので、設計がずいぶんと楽です。アイドリング電流を100mAにしてプレートをほんのり赤くしてあげたりしても、へこたれません(笑)。また、固定バイアスにしたのも設計を楽にしました。もう一台作れば、ステレオ構成になり、普段使いのアンプになりそうです。

下の写真は出力管にロシア製の6L6GC=6П3Сを装着した様子です。アンプの横に球の元箱が写っていますね。オリジナルよりも細管で貫禄はありませんが、作りがしっかりとして、なかなかの音質と使いやすさで、秋葉原のタクトで確か@1,000でした。お奨めの球です。
6SL7GTはRCA製、6SN7GTBはレイセオン製です。どちらも1950〜60年台のブツです。


下の写真は出力管にElectroHarmonix製の6L6GCを装着して暗がりで写した写真です。青白い光は、プレートから漏れ出た電子ビームがガラス管壁に当たって発光している蛍光です(異常ではありません)。