JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

久々に真空管アンプ その3

当初設計の5極管の6SJ7の差動増幅ではハムが取れない、ゲインが小さくて少し使いにくい、また6SJ7のマイクロフォニックノイズが思ったよりも著しい、という理由から、6SL7GTと6SN7GTの双3極を2本使って、マランツ8型のドライブ回路(初段カソード接地→次段カソード結合直結)に改造することを考えています。
初段はSRPPでもよかったのですが、単純に6SL7GTのパラレルにしてみました。実に平凡な回路でつまりませんが、ある程度のパフォーマンス(音質と安定度)を追い求めるとどうしてもオーソドックスな回路・球になってしまうのです。これ改良前の差動回路。

これが改良後のカソード結合直結。

SIMetrixシミュレーションの結果によると、ACバランスさえ合わせ込めば、f特および歪み率ともに5極管差動回路と比べても申し分がないようです。


半導体ならば1石加えるのは何ら難しいことではないのですが、真空管の場合、シャーシスペースやヒーター巻線容量の都合で1球ですら付け加えるというのは簡単なことではありません。本当は、本回路を“下球5極+上球3極のSRPPの差動”のドライブ回路にしたかったのですが、GT管でそれを構成するには球が3本になるので、改造が難しくなります。