JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

コンパクトなGT管5球スーパーラジオ

さらに真空管ネタが続きます。普通に無線運用もやっているのですが、特段変わったこともないのでネタが有りませぬ・・・(汗)

ちょっと人に頼まれて管球式のラジオを作ってあげる事になりました。あまり凝ったものではなく低コストが第一だったのですが、「できるだけコンパクト」をテーマにしてみました。また見栄えがするGT管を採用してみました。GT管の構成で最小限のシャーシ面積・・・トランスやバリコン・コイルもあるので、150mm☓200mmのサイズがギリギリのようです。またシャーシはタカチのYM-200を採用してみました。塗装の手間が省けます(汗)。

球の構成はオーソドックスに<周変管>6SA7GT-<中間周波>6SK7GT-<検波・低周波増幅>6SQ7GT-<電力増幅>6F6GT-<整流>6X5GTを採用しました。電力増幅管は6V6や6L6系でも良かったのですが、トランスのヒーター巻線容量の都合上6F6GTにしています。入手しにくい球なのでちょっと勿体無い気がします。
トランスは春日無線変圧器のH9-0919で、B電源用230V☓50mA、A電源6.3V☓0.9A☓2の容量でなんとかギリギリです。出力トランスも春日無線変圧器のOUT-41-357で、シングル3Wタイプでちょうど良い大きさです。アンテナコイルとバリコンとIFTはラジオ少年から調達しました。IFTが小さく頑丈でFBです。



完成はこんな感じです。かなりキツキツですが結合や発振などなく正常に動きました。バリコンを正面に取り付けることができず横になってしまいましたがご勘弁を。6F6GTはロシア互換球の6Φ6Cを刺しています。6F6よりも背丈が高く中身も頑丈そうでFBな球です。

やはりこれだけ高密度に実装していると球からの熱が結構な量で、発振コイルやアンテナコイルを炙ってしまうせいか30分程度で完全に収まりますが、QRHがややあります。特に6F6からの熱がすごくて気になってしまいます。

感度はまずまずです。検波管の負荷抵抗を50kΩ程度にするのが普通ですが、本機ではややゲインが低く試行錯誤の末、100kΩでベストになりました。検波回路定数で音質やAF音量ゲイン、検波歪が変わってしまうので、ここがラジオ製作のキモといえる部分でしょうか。

ちなみに制作費用は球代も入れて15,000円程度です。トランス類をケチればもう少し安くなりますが、それでも10,000円を切ることはできそうにありません。

良い音でなると気分がイイものです。アンプに飽きたら、ぜひラジオ製作を。