JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

太宰がブームらしい

生誕100年とのことで、いま太宰治がブームらしい。若い頃一度は太宰にハマッてしまうのではないでしょうか。不思議な魅力がありますね。たしか中学生頃の読書感想文に『人間失格』を選んで、先生に怒られたことがあることを思い出しました(笑)。
津軽』や『人間失格』も面白いですが、最も好きなのが『晩年』であります。デビュー作がいきなり『晩年』というのもスゴイ。
まぁ、ここでは太宰の魅力を語るのは月並みになるので止めておきますが、太宰小説と同じくらい『太宰論』を読むのが好きで、ありとあらゆる太宰評論をチェックしてきました。最も面白かったのが、学生の時に名古屋の古本屋で買ってきた山岸外史『人間太宰治』です。いまでもチョイチョイ読んでいます。

山岸外史は太宰治の友人で、友人ならではの太宰の身近な話題(病院に付き添ったり、文学議論したりとか)が挿入されていたり、太宰の自殺の現場(遺体の確認など)の様子などが克明に描かれており、資料としても素晴らしいし、文章がとてもよい。

『二十世紀旗手』の副題である“生まれてすみません”という句が有名ですが(相原コージの影響か?)、実はこれは盗作であることはご存じであろうか。この件も、上記『人間太宰治』に記されています。山岸外史の従妹である寺内寿太郎という文学志望のサラリーマンが作った詩の一編らしい。こういった太宰の一面が伺えるエピソードがたくさん書かれています。

本書は角川文庫とちくま文庫で出ていましたが、いまは絶版で入手が困難らしいです。古本屋で見かけたらぜひ買いましょう。太宰好きならば必読の一冊であります。

人間太宰治 (ちくま文庫)

人間太宰治 (ちくま文庫)