JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

定電圧レギュレータ回路の試作

あらゆる電子回路においてそれの安定な動作を確保するためには、供給電源の電源電圧を安定化することが必要で、とくにオーディオや送受信機などのアナログ回路では電源の安定化が極めて重要な要素です。その手法はいろいろありますが、我々のような自作派アマチュアではムチャクチャな大電流を扱わない限り、電源トランスと半導体によるシリーズレギュレータが一般的で、3端子レギュレータで間に合わせる場合もあれば、ディスクリートオペアンプを使って組むこともさほど難しいものではありません(比較的低い電圧であれば)。

シリーズレギュレータ回路は、トランジスタのエミッタフォロア回路と負帰還を応用したものです。過電流保護回路や温度補償回路も定番のものが使われます。今回は、誤差増幅器に汎用オペアンプを使ったものと、レギュレータ電源用ICである723を使って25V 0.5A程度の高周波回路用の安定化電源を作ってみました。

左が汎用オペアンプNJM4558を使ったレギュレータで、強力な負帰還によってリップルが皆無になります。トランジスタには2SC1815と2SD2012のダーリントン接続にしています。今回、過電流保護回路は付けませんでした。基準電圧の生成には普通のツェナーダイオードにしたので、温度特性はあまり良くありませんが、普通に使う分には出力電圧が極めて安定して取り出せました。扱える電圧の上限は、オペアンプの最大定格電圧に限定されてしまうのが欠点と言えましょうか。普通は30Vくらいですね。

右が専用ICの723です。過電流保護回路と温度補償回路が内蔵されていて、周辺部品も少なくできます。トラジスタには2SD2241を使いました。専用ICを使うと動作原理がよく分からないと言った欠点(?)がありますが、低コスト・省実装面積が実現できます。電圧は40Vが上限です。

これらの電源は、50MHzの自作トランシーバーに組み込む予定です。RF出力を数Wにしたいので、もう少し電流が流せた方がよいのですが、これは放熱器を大きくするしかありませんね。送信機の方の回路が全く進んでいません。もう少し時間がかかります。