JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

SSBジェネレータの製作 その2

高周波回路において最もユニークかつ重要なのが、周波数変換技術だとおもっております。2つの信号を『混合』すると、周波数の和と差の成分が出てくる。ここで、混合と言っているのは本当は『乗算』です。単に信号を『加算』しても周波数の変換は行われません。ちなみに「オーディオミキサ」がやっているのは加算です。この周波数変換技術をモノにすれば、高周波回路がもっと楽しくなるはずです。

前回では二重平衡変調/復調器(DBM)のICであるMC1496をつかって、オーソドックスにミキサ回路を実験し、DSB波生成回路を作ってみました。ご存じの方も多いかと思いますが、MC1496は入手が比較的容易なICですが外付け部品がやたらと多く、設計も古いので使いたがらないRF設計者の方も多かったと聞いております。と言うわけで、他のミキサICについても実験してみました。

上の写真は今回入手したミキサICで、メタルキャップ(某ジャンク屋に眠っていた)とDIP14のパッケージは1496で、フラットパッケージも同じく1496のSMD版、DIP8がフィリップスのNE612、SIP9がTA7320です。上の右の写真が最近開発されたらしいNJM2594です(当然SMDしかありません)。以上が当局のコレクションです(笑)。今回はこのNJM2594で実験してみました。実験基板は下の写真の通り、非常にシンプル。カップリングコンしかありません(1.27→2.54mmピッチ変換にはシール基板を切って使いました)。


前回の1496ではキャリア周波数を50MHzまで上げるとキャリアが漏れてしまうことが判明。おそらく実装法に問題があったと思いますが、今回もいい加減に実装してみたものの、試験回路がシンプルと言うこともあり、100MHzくらいでも全く歪みません。AFシグナルのレベルを変えても変な動きをしませんでした。NJM2594の方が使いやすいようです。