JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

終段バイポーラトランジスタDCアンプ Ver.2

普段PC再生しているオーディオのアンプに、前回紹介した終段バイポーラDCアンプを毎日使って聞いています。FET入力差動2段、出力段に2SA1302/2SC3281とごく普通のDCアンプです。最近になって、ごくわずかですが右chから、無音の時の雑音が気になるようになりました。一度気になると我慢できなくなるので、いろいろ改良改造していたのですが原因がわからず、ケース以外を結局一から作り直すことにしました。

プロのオーディオ技術者も読んでおられるというDouglas Self氏の"Audio Power Amplifier Design Handbook"を参考に20Wクラスのアンプを設計しました。完全DCにこだわらず、全段バイポーラで裸利得をうんと上げてしまい、負帰還で特性を上げてしまおうという戦略です。石はなるべく低雑音のものを使いたいところですが、汎用のMPSA56/MPSA06でもベース拡がり抵抗が低いようなので十分低雑音だとおもわれます。ドライバにはMJE340/MJE350、出力段にTIP2955/TIP3055と、オーディオ品ではなく汎用品にしました。一応、hfeでペアマッチ選別しました。以前作ったMJE2955/3055アンプとほとんど同じ構成になっています(苦笑)。
肝心の音ですが、なにかスッキリとした、フラットな、安心感のある、クセのない聞きやすいアンプです。

初段にバイポーラを使っているので、入力にカップリングコンデンサ(ポリエステルフィルム100V, 1.5uF)を入れていますが、あってもなくてもほとんど遜色がありませんでした(スイッチで切り替えできるようにしました)。ポップ音が大きいので電源ON後数秒の遅延でスピーカーが接続されるようにしています。タイマICのNE555Nで制御しています。
実はこのアンプを仕上げるまでにずいぶんと試作をしました。初段トランジスタの種類やら定電流回路やらドライバやら位相補償などを試行錯誤して電気物理特性だけでなく聴感もチェックしました。試作だけでお陀仏になった基板がこちら。

結構発振しやすいので苦労しました。変に凝った回路ではなく普通の回路がよかったです。ただし温度補償の案配は結構難しく、ケーシングや季節変動もあることなので結局よくわかりませんでした(苦笑)。
基板のみを取り替えられるように、基板実装コネクタを多用しましたが、接触不良を起こしやすいようで信号の劣化が見られました。しばらく様子を見た後で、ケーブルの接続は全て、はんだ付けにしたいと思います。