JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

海外汎用トランジスタでパワーアンプ

前回のClass-XDアンプを試作する前に、Mouserから購入した安価な汎用トランジスタのみでパワーアンプを作っていました。MPSA56/MPSA06のカレントミラー負荷差動、定電流負荷、ドライバにMJE350/MJE340、出力段にMJE2955/MJE3055という超チープな構成(駄石とでも言うのか)ですが、意外にも高性能で10W時のTHDが0.01%以下を軽く下回りました。コンプリメンタリのペアマッチを厳密に、電源ノイズを改良するともっとよくなると思います。気をよくしたので、常用のアンプにするべく、ちゃんと作ってみることにしました。下の写真は完成したサブシャーシです。

入力の差動部だけにはuPA49AというNECの古いPNPデュアルトランジスタを使いました。個別で組むとどうしてもDCドリフトに悩まされますので。他はみな汎用品です。1/2Wの抵抗には贅沢ですがニッコームの温度係数25ppm/℃の金属皮膜抵抗を使いました。ここはこだわりです。というか、バランス悪いです(苦笑)。

初段をトランジスタにしたアンプは、電源オン/オフ時のポップ音が非常に不快なことがあります。いつもは省略してしまうのですが、今回は慎重にもミューティング回路を付けています。電源オンにして1秒経つと出力トランジスタのコレクタに電源を供給するという方式にしています。

電源電圧を±21Vにして、出力約20Wと小振りなアンプにしています。出力段のMJE2955/MJE3055は、型番から察するに2N3055と同規格、コレクタ損失が少しだけ小さくTO-220ABパッケージの石です。小さいけど力持ちの石と言うことでしょうか。フェアチャイルド製を使いましたが、各社から出ています。基板実装のコネクタで取り替えられるようにしたので、後でひとまわり大きいTIP2955/TIP3055にしても良いかも知れません。やはりTO-3カンパッケージの石は取り付けが面倒ですね。

アイドリング電流を約30mA流して現在エージング中です。ソースによっては低音が少し物足りない気がしますが、中音から高音にかけてスッキリとした聞きやすいアンプになっています。