JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

古いプリアンプ用IC

TBSラジオの『LIFE』を聞きながら執筆しています。神奈川県南西部では、TBSラジオの入感が悪いです。


ひとむかし、ふたむかし前のラジカセや低価格オーディオセットのプリアンプ回路の類に使われていた、プリアンプ専用ICが割と安く手に入ります。これらICはとっくに廃盤になっており、メーカーのアセンブリには使われないものなので、在庫放出のためアマチュア向けのパーツ屋に大量に流れるのでしょうか、100円以下で入手可能です。なぜか、品種が多くシングルラインパッケージが多い。こういった、かわいそうなデバイスをなんとか使ってあげようと思い、ついつい手に取ってしまいます。パーツボックスの肥やしにならないためにも、ちょっと調査してみます。下の写真は手元にあるICで、秋葉原や横浜のパーツ屋さんで入手できるものです。

一般に、プリアンプ部は、高級機ならば両電源のDCアンプが前提で、ディスクリートで組むか、低雑音・低歪みオペアンプが使われるのだと思います。一方、それほど高級機でなければコストダウンとコンパクト化のために少しでも外付け部品を少なくしたいので、汎用オペアンプか専用ICが使われています。これら専用ICは、オープンループゲインが100〜60dBくらいで、雑音特性はそこそこ、単電源動作が前提で、オーディオ周波数域で内部補償回路が入っているもので、抵抗・コンデンサ数本をつければマイクアンプができるという、お手軽実装が可能になります。そのかわり、音質もそこそこになるのだと思います。内部等価回路を見ると、特に古いICはオペアンプとはちょっと違ったりします。

  • BA7760

ロームのデュアルマイクアンプ。なぜデュアルかと言うと、カラオケのデュエットのためのマイクアンプだからです。裸ゲインは65dBで、ミュート機能や、2本のマイク出力をミックスしたバッファ回路まで付いています。100円で入手。

  • BA333

同じくロームのプリアンプで、ALC付きの汎用プリアンプICです。裸ゲイン70dBでカセットテープやフォノイコライザに使われていたようです。残留雑音 1.3uV(Rg=2.2kΩ)で、これを使って、ゲイン40dBのALC付きマイクアンプを作ったことがあるのですが、周波数特性悪く10kHzでサグが出てしまい、イマイチ使い方がわからなかったICでした。100円で入手。

  • AN7310

松下のデュアルプリアンプで、カーステレオ用のプリアンプ回路用途だそうです。裸ゲイン90dBで、他のスペックは普通の低雑音オペアンプと一緒です。増幅以外の機能はなく、単なるアンプです。確か100円で入手。

  • HD12017

日立の低雑音プリアンプで、データーシートを見ると割とハイスペックです。最大電源も±26.5Vで残留雑音も0.126uV(Rg=43Ω)なので、フォノアンプ用のICだと思われます。結構古いICで、どこで入手したか失念。

  • TA7120P

東芝の古い汎用プリアンプで、等価回路を見るとオペアンプ的ではなく、3石シングル動作のNFアンプです。残留雑音は2uV(Rg=2.2kΩ)で、性能はちょっとイマイチ。

  • TA7063P

TA7120Pと同じく汎用プリアンプで、裸ゲインが60dBとちょっと低いだけで他のスペックはほぼ同じ。ほとんど捨て値で入手。

  • TA7312P

2回路入り、TA7063よりもハイスペックで雑音特性が改善されています(1.2uV(Rg=2.2kΩ))。

  • TA7325P

TA7312Pの改善版でしょうか、雑音特性が更に改善されています(1.2uV(Rg=2.2kΩ))。これでマイクアンプを作ったことがあります。ポップ音もなくミューティング回路付きでなかなかFBでした。これもほとんどジャンク値で大量に入手しました。

  • TA2011S

マイクアンプに徹したICで、ゲインが47dBと固定、ALC付きで、割と低雑音です(1.2uV(Rg=2.2kΩ))。従って、外付け部品がかなり少なくて済みます。今度このICでマイクアンプを作ってみようかとおもいます。