JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

VGAでALCアンプ

かなりクドイですが、マイクアンプに使うALCアンプについて実験していました。前回アナログマルチプレクサ(乗算器)ICを使って、ALCへの応用を試みましたが、今回は現代的広帯域VGA(可変利得アンプ)IC、TI製のVCA824が手に入ったので遊んでいます。本ICは、インスツルメンテーションアンプ同様、利得調整と負帰還抵抗用の端子が別途ついている差動アンプに、ゲイン制御用の端子が付いているオペアンプです。基本的に両電源で動作させ、ゲイン制御端子の電圧と利得がリニアに動くV/Vタイプと、対数で動くdB/Vタイプがあります。基本的にはオペアンプなのですが、スルーレートが2500V/us、帯域が320MHzと超高速動作が可能で、高周波系回路のAGC、変復調回路やリミッタに使われるのが本来の用途のよう。しかし、贅沢にもマイクアンプに適用してみました(笑)。

もちろん検波回路は付いていませんので、ショットキーバリアダイオードでエンベローブ検波してオペアンプで直流増幅した後、VGAの利得端子に接続します。利得制御の勾配V/Vや全体利得など自由に調整可能です。逆に可変アッテネータにすることも可能で、後段にオペアンプをつなぐと、フィードフォワード式のALCアンプになり、どちらかというとこちらのほうが使いやすいかも知れません(汗)。

試験回路を組んでちょっと動かしてみました。良い感じでALCが効きますが、利得を欲張ると発振気味になります(苦笑)。

いままで実験してきたALCアンプのIC
 ・TA2011S  東芝のマイクアンプ用のALCアンプ。利得が47dB、出力が0.6V固定と使いづらいですが、外付け部品が最少で低コスト。初心者向け。
 ・BA333  ロームのテープレコーダー用ALCアンプ。検波回路が外付け。TA2011SよりもALCの効きがやや甘い感じ。
 ・TA7137、TA7330  東芝ALCアンプ。検波回路外付け。利得がやや小さいのでマイクによっては不適か。
 ・SA571  旧フィリップスのコンパンダ。利得を抵抗で調整できる。
 ・SSM2165 アナデバのマイクコンプレッサ用IC。かなり調整幅の大きい万能アンプ。
 ・NJM4200、AD633 アナログマルチプレクサ。いろいろできる。