JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

SSBジェネレータの実験 その1

SSBジェネレータとは文字通り、SSB波を作る回路で、高周波信号をマイクからの音声信号で平衡変調し、どちらかの側波帯を切り出した形の信号です。SSBはアマチュア無線において最も一般的な電波の形式で、特に50MHz以下のバンドではほとんどの局がSSBで運用しています。技術的にはFMやAMの送信機のほうが簡単に作れますが、交信相手がいないので、SSB機を作ってみたいと思います。
変調段というと、何か地味ですが、低周波と高周波が合体する回路で、結構面白いものです。
これまで何度かSSBジェネレータを作ってきました。トロ活を参考に設計した伝送線路トランスとダイオードクワッドによるパッシブ型の二重平衡変復調機(DBM、通称バラモジ)を作りましたが、キャリアパワーが不足すると急にゲイン不足になりがちなのと、スペースファクタがやや大きいのが欠点でしょうか。そこで、今回は普通にDBM用のICを使って作ってみました。やはり、実験するならば、あらゆる方法を試しておきたいものです。

まずは、局発ですが、テレビ用の14.318MHzの水晶をキャリアにしています。この水晶はとにかく安いのがありがたく、Mouserで買うならば@数十円です。PN2222Nの変形コルピッツで発振、さらにPN2222N+タンク負荷で電圧増幅、J310でバッファし、約+6dBmの出力。3dBmのパッドを経て、TA7320という単電源で少ない外付け部品のDBMに入れます。TA7320の入手性はそこそこよく、@200〜300で売られています。SA601よりは安いと思います。ちなみに、PN2222NもJ310も@数十円以下です。
DBMで出てきた信号をRF用のJ-FETのMPF102で軽く増幅し、HPFで組んだクリスタルラダーフィルタでUSB波だけを取り出します。ここが結構難しく、調整に難儀するところです。先の局発のキャリアポイント周波数をトリマコンでちょっとだけズラして、USBが取り出せるようにするのですが、はっきり言ってスペアナがないと調整が不可能だと思います(SSB受信機を使って耳で調整するという方法もありますが・・・)。
マイクアンプ部はごく普通の単電源オペアンプで20dB増幅しTA7320に入力しています。汎用の4558を使いました。マイクには普通のコンデンサマイクとしています。ツェナーダイオードで3Vを作ってマイクに入れています。

調整はまだ完全ではなく、おそらくフィルターの出来が悪いと思われますが、この辺のノウハウは、昔のQSTを読んで研究中であります・・・・。
フィルタから出てきた信号は変調時に約+0dBmとそこそこの出力、無変調時のキャリア漏れもほとんどなく(ただし変調時に-60dBmくらい少し漏れます)まぁまぁのデキでした。