JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

7MHzAM/SSB/CW受信機の製作 その2

前回ではLA1600という高周波増幅/局発/周波数変換/中間周波増幅/検波の機能がワンチップにつまったICを使って7MHzの受信機を試作しました。中間周波数を455kHzにしてIFフィルターに帯域の広いセラミックフィルターを使っています。SSB/CWを受信するためにはBFOを注入してプロダクト検波する必要があるのですが、注入するBFOのせいでAGCがかかってしまって受信しにくいという重大な欠点があります。これを解決するにはIFを高くして狭帯域のクリスタルフィルターを使う(逆ヘテロダイン)か、AGCをIF段で掛けてしまう必要があります。今回はLA1600は使わず、各ブロックを個別の素子で作って受信機を構成してみました。

ブロック図にあるように、アマチュアがよく作るごく普通の回路になってしまいました。ゲインの配分は正確には測れていないのですが(SGが壊れてしまった。後ほど語ります)、高周波増幅で+20dB、周波数変換で-10dB、IF増幅段で+70dBになっています。ハムバンドを受信するにはゲイン的にちょっと不足していますがとりあえず仕上げてしまいました。IFフィルターには455kHzのセラミックフィルター。従って選択度はラジオ並み(苦笑)。AGCはMC1350のみにかけて様子見です。AF増幅段の利得配分にミスがあり、VRを角度にして10度以上回すと騒音妨害に。パワーアンプのTDA2003がアイドリング時でもやけに発熱し、素子選択にちょっと失敗しています。

夜の7MHzはCWくらいしか聞こえてこないのですが、受信感度はマズマズ。選択度も思ったほど悪くありません。コイルのコアを再調整すれば6から9MHzのBCLバンドも良く聞こえますし、朝鮮や中国大陸からの強大なBC電波に対して程よくAGCが効いてくれて割りと効きやすい受信機になりました。

自作派ハム仲間とよく話題になるのですが、送信機よりも受信機のほうが作っていて楽しい! 受信機を作り出すとその世界にハマってしまい、なかなか波を出さなくなる、と言われているのが良くわかる気がします。
今回はICを多用しましたが、全段ディスクリートで組んだり、パッシブDBMでつくってみても面白そうです。安定なVFOやフィルターの設計も奥が深そうで、これはやめられませんね(笑)。