JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

FM送信機の習作

ちょっと寄り道してFM送信機を実験してみました。

D-STARレピータの待ち受けワッチをしているのですが、シャックと普段居座っている書斎兼工作部屋が離れているせいで、D-STARを直接ワッチすることができません。そこで、工作部屋にあるNRD-545(ゼネカバHF受信機)で遠隔受信することを思いつきました。普通の人ならば、FM放送バンドのミニトランスミッタを使うのでしょうけど、それじゃつまりませんし、NRD-545ではFM放送バンドを受信できません。そこで28MHzのFM送信機を作ってみたというわけです(笑)。

変調回路はごく普通のVXOとシリーズに接続したバリキャップにAF信号を加えて周波数変調する方法です。ドライバ段には2SK214で、部屋の中に飛ばすのならばこれで十分なのですが、少し物足りないの気がしたので、2SC2086で10dBほどパワーアップしています。すでに無免許では送信できない出力なのですが、実験なのでヨシとしました。普段使うときはエミッタに抵抗を入れて十分にパワーセーブしていますヨ。
回路図は以下の通りです。デカップリングとLPFを省略しています(クリックするとオリジナルの大きさになります)。

ついでに、数ワットクラスの送信機を設計するつもりで、以前、ご紹介いただいた、2SC1909を使った数ワットクラスのC級終段をさくっと作ってみました。CB用のRF PAとしては無名の部類だと思いますが、ftが160MHzあるので28MHzでは十分です。データーシートに書いてある定数は参考にせず、計算しなおしてみました。入出力インピーダンスをそれぞれ2、6Ωに、電源電圧13.5V、Qu=10として計算しました。これで計算どおりの利得で安定に動きました。なお、実装の際にはトリマコンを挟み込み調整可能にしています。またLは0.8φのPUWで直径9mmの空芯コイルにしました。以下回路図。デカップリングとLPFを省略しています。

ドライバ段もフルパワーにすると約2Wまで出せました。ドライバ段を2段にすれば10Wくらい出せますが、放熱設計と温度補償をしっかりとする必要があります。2SC1909は高耐圧(Vceo=75V)なのでおそらく壊れにくいと思われますが・・・普段はエミッタに抵抗を挟んでパワーセーブしています。

使ってみたところ、やや音がこもっています。バリキャップに入れる前のLPFの定数を変えるか、バリキャップそのものを変えたいところですが、とりあえず普通に変調されているのでコレでヨシとしました。受信機のスケルチ信号と同期してドライバ段のコレクタをon/offする回路も入れました。

2SC1909は現在のところ入手可能で高騰していませんので、使いやすくコストパフォーマンスの優れた石かもしれません。三洋の2SC3252〜6も高速なスイッチング用パワートランジスタなので(既に入手済み)、実験してみたいと思います。