JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

AMラジオの中間周波数をいじる その2

前回の記事では、LA1600のようなワンチップラジオICを使わずに各段を個別にAMラジオをつくり、中間周波数を4.19MHzに設定し選択度を決める中間周波フィルタにクリスタルフィルタを使う実験をしてみました。課題は、感度が不足気味。これは中間周波増幅段のゲインが不足しているため。もうひとつは音質。クリスタルフィルタの特性に問題がある、としました。
とりあえず、前者に対処するために、高周波増幅段にオペアンプuPC813をおき、中間周波増幅段にFET 2SK882を加えてみました。2SK882は2SK241のチップ版で下の写真のようにユニバーサル基板のハンダ面に取り付けています。これで20dBほどゲインがアップ。感度的には十分になりました(真ん中の黒い点がFETです)。

構成は、高周波増幅段→周波数変換→クリスタルフィルタ→中間周波増幅<2SK882 + MC1350P>→検波<1SS106>→低周波増幅になりました。AGCは検波後に取り出してMC1350Pにだけかけています。
しかし、超絶技巧配線になってしまいこれ以上の改造は無理なので、もう一枚基板から作り直しました(苦笑)。

使用するクリスタルの周波数を選別、クリスタルフィルタを6素子に増やし、設計帯域を6kHz(Co=5pF)、インピーダンスを600Ωにして組み上げてみたところ、音質は若干自然な感じにはなりましたが、帯域の狭さは相変わらずでした。そこで、本来は作りながら確認すべきでしたが、周波数応答解析器(FRA)で600Ω終端で周波数特性を確認してみました(縦軸は挿入損失の相対値)。

3素子と6素子ではほとんど帯域が変わっておらず、設計どおりにはなっていないようです。スカート特性は改良されているものの、リプルはまったく直っておらず、まだ試行錯誤が必要のようです。