JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

50MHz SSBトランシーバーの製作(3)

まだ作っていなかったVFOユニットを作っていました。VFOは贅沢にもDDS、貴田電子設計さんのKEM-DDS-VFO-MC50キットを利用しました。マスタークロック50MHz、出力周波数16MHzが上限ですが、かなりコンパクトで低価格。自作リグに組み込むVFOとしては最適です。本トランシーバーのIFが14MHzなので、VFO周波数として36MHzが必要になります。このVFOで36MHzを直接発振できないので、9MHzを原発に4逓倍して36MHzを作ることにしました。
実はこの4逓倍回路に少し苦労しました。一般に、逓倍回路はトランジスタの非直線性領域で高調波を作り出し同調回路で希望の逓倍波を取り出す回路で構成されます。高次高調波のうち奇数次高調波は割と効率良く取り出せるのですが、偶数次、特に4次高調波となると出力レベルが圧倒的に不足し、同調回路を3段の復同調にしても、きれいに取り出せません。高次BPFフィルタで整形してから増幅するというも、規模が大きすぎるような気がしたので却下。位相反転トランスで作ったアクティブダブラで一気に偶数高次逓倍をする方法もやってみたものの、うまくいかずイマイチ。回路の規模がやはり少し大きくなりますが、位相反転トランス→ショットキーで全波整流でパッシブダブラ→狭帯域同調増幅→バッファ→位相反転→ダブラ→同調増幅→バッファで、きれいに4逓倍で0dBm取り出せました(要するにダイオードダブラの縦接続で×4)。

次に、受信用のIFフィルタを作っていました。よくある8素子のクリスタルラダーフィルタです。イイカゲンに作ってしまったので、濾波特性を計測したところスカート特性が汚くリプルだらけでした。30個くらい水晶を入手したのでこの際、キッチリと素子を選別した上でもう一度作ってみます。

これまでつくったモジュール基板を組み合わせて調整する作業があるので、まだバラックのレベルなんですが、一枚の試作シャーシに基板を取り付けました。右上の液晶の基板がVFOキットで、秋月のバックライト付きのLCDパネルに交換しています。VFO基板のすぐ右上にあるのが先ほどの4逓倍回路。これから調整作業が続き、完成するのはまだまだ先です。無信号時で0.3Aも消費しているのが気になります・・・