JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

そろそろ受信回路の実験 その4

前回の記事フォワードAGCトランジスタによるIFアンプの電力利得がおかしいということを書いてしまったのですが、単なる結線ミスでした(大汗)。一段当たり37dBの利得になりましたので、実験は成功と相成りました。

で、今回は製作記事でよく見かける定番FETの2SK241によるIFアンプです。2SK241はゼロバイアスでA級動作するマコトに便利な石で、部品点数が少なくなるだけではなく、帰還容量が異常に小さい(中でカスコード接続しているため)上に低雑音で電力利得が28dBとVHF用には文句の付けようのない石なのですが、例によって廃品種です。同等の表面実装品もあるようですが入手が難しいようです(現在とあるショップに仕入れを依頼しています。現代トランシーバーにも多数採用されているとのこと)。しかし、K241は今のところ、どこにでも見かける石なのでしばらく入手には困らないでしょう。
あまりにも定番回路で詰まりませんので、タンク回路を2種やってみました。ひとつがFCZコイルのお手軽版。もうひとつが最高Qが得られる条件で作ったトロイダルコア版です。周波数は14MHzです。

上の写真にあるように3段アンプにして、FCZ版だけAGCアンプも付けてみました。アンプ部は両者同じ回路定数です。
FCZ版は最大利得が約95dBになりました。SSGの最小出力でもアンプが飽和しそうな出力でした。トロイダル版は2段目までは順調に動いていたのですが(段数あたりの利得はFCZ版よりも高利得)、3段にすると見事に自己発振(10.4MHzでした)。段間に銅板でシールドすると発振の程度がかなり改善されるので、直そうと思えばできそうです。トロイダルコアを平行に配置したので結合しているためか、デカップリングが甘かったのか。電源ラインにインダクタをぶち込めば直りそうですが、これは宿題としておきます。

AGCアンプに普通のダイオード検波では詰まらないので、RF用のログアンプをつなげてリニアリティの高いIF回路にしたいところです。Sメータにも使いたいし。
手持ちのログアンプに、NJM2204とAD8307があります。前者は3MHzまでしか動作しないので、今回の14MHzのIFアンプには使えません。一方、後者のAD8307はスペアナや電界強度計にも使われている有名なRFログアンプ。DC〜500MHzまで92dBのレンジを持つハイスペックなICで、これで遊んでみたいです。


IFアンプに使いたいICとして、定番ICであるMC1350の他に、AD603やVCA822という広帯域(100MHz)の可変ゲインアンプが在庫にあるので、これも触ってみたいです。50dBの利得が取れるので2段カスケードにすれば今回の目的に合致します(ややもったいない使い方ですが)。さらに、帯域が300MHzくらいある高速オペアンプにAD817、LT1399、LT1360、OPA642も在庫していますので、IFアンプに使えるかやってみたいと思います(過去に挑戦して失敗している)。