JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

そろそろ受信回路の実験 その3

さすがに平日には本業があるのであまり作業が進まず、今日は移動運用をやっていたので(伊勢原市 55QSO。交信いただいた各局TNX)、電子工作は少しお休み状態でした。


受信機の心臓部でもあるフロントエンドとIFアンプの設計に進んでいます。これらも、去年の秋ごろに一度作ってはいるのですが、いろいろな回路を試してみたいので、再設計というか試行錯誤してみたいと思います。
まず、フロントエンドです。OM諸氏の製作回路を探っていると(1)素朴にftの高いトランジスタで20dBくらい増幅する、(2)低ノイズFETでNF重視、(3)AGCも掛けたいのでデュアルゲートMOS FET、(4)広帯域ICでお手軽に増幅、というのが見受けられました。50MHzの受信機では(2)と(3)がオーソドックスのようで、実験してみました。といっても、ノイズフィギュアの測定はできないので、とりあえず作ってみたというレベルです。

この写真にあるように、T50#10のコアでインピーダンス変換した後、おなじみのJ310パラGGアンプで50オームにマッチング、FCZコイルで同調負荷です。上手い具合に50MHzで同調させるとノイズマッチも取れるようです。FCZコイルのQが小さいためか、コンデンサの誘電損が多いためか、これだけでは10dBくらいしか増幅してくれないので、上の(4)の回路を後段に入れておきました。3SK73を使ってみました。この石もとうの昔にディスコンになっていて入手しにくいようで、実験で使うにはもったいないですが、数個在庫があったので使ってみました。全体で最大25dBのゲインがありAGCも効かせられるようにしてあります。
基板の空いている部分に、ミキサをつけてIFに変換するところまで実装するつもりです。ミキサにはNE612かTA7320を使う予定です。


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次に、IFアンプですが、まずはトロ活に載っているフォーワードAGCトランジスタによるアンプを試してみました。当局のパーツボックスにはAGCの石で2SC1856, 2SC762, 2SC1393が眠っていました。2SC1393は実は誤って通販に注文してしまって、300個ほど在庫があり(苦笑)、ふんだんに使えるというわけで早速実験です。電力利得がちょっと低いですが、fTが高く高周波用のようです。
7mm角の14MHzFCZコイルのQは65と高くありません(他の周波数と比べると高いほうですが)ので、トロイダルコアでタンクコイルを作ってみました。最高Qが得られるようにトロ活を参考にしながら設計すると、T50#6、0.6mmφ、17Tで約900nHになり、14MHzで最高Q(約200)になりそうです。同調コンデンサは133pFなり120pFとトリマコンをパラにしました(Qが低くなりそうですが仕方ない)。
AGC電圧は実験なのでとりあえず、3端子レギュで6Vを作って半固定VRで調整したものつないでいます。3段アンプにして、最大ゲイン100から90dBを目指し、回路はトロ活のAGCアンプとほとんど同じですが、同調コイルにはタップを取らずに普通のタンク回路にしてみました。

上の写真のように2段目まで組んでゲインを測定すると、1段あたりのゲインが5〜10dBしか得られず何かがおかしいです。トランジスタをC1856に変えてみても特性はほとんど変化せず、やはりタンク回路付近で不整合を起こしてゲインが低下してしまったのか。確かに周波数を低くすると同調していなくてもゲインが上がるように見えます。トロイダルコアを巻き直すのが面倒なので(汗)、どうしようか・・・・。

というわけで、遅遅として進みませんが、AGCアンプには、(1)今回のようなAGCトランジスタによる回路、(2)デュアルゲートMOSFETの第2ゲートでAGCをかける、(3)2SK241のようなMOSFETのゲートにマイナスAGC電圧、(4)MC1350のような広帯域AGCアンプを使う回路を見かけます。(3)の2SK241は低雑音でカツンとゲインを稼げるのでよく使われているようです。また、ICでお手軽に組んでしまうのも良くみられます。次回はAGCアンプとその辺を実験してみるつもりです。