JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

DDS VFO試作実験 その2

だいぶ更新が空いてしまいました。ネタは(無線運用の方も含めて)いろいろあるのですが、横着で書いてないだけです(汗)。

さて、前回からの続きです。目的は自作トランシーバーのVFOに適用したいDDSとその制御回路です。この部分だけはデジタル回路で、当局はあまりフォローできていないのですが、最近のシステムの進歩には驚くばかりです。マイクロプロセッサとしてPICやAVRが候補にあがっていたのですが今回は32bitのARMを使うことにしました。前回はmbed NXP LPC1768を使ってプロトタイピングしていましたが、実際の回路に組み込むことはできないので(やろうと思えばできますがもったいない)、mbedに対応したARMプロセッサであるLPC1114FN28を使うことにしました。よく使われているプロセッサなので情報が豊富ですし、何より140円くらいで入手できるのがありがたいです。
mbed環境でプロトタイピングできるのが最大のメリットですが、バイナリを書き込むためのツールが必要です。UART経由で書き込む方法が簡単で、イカ醤油ポッポ焼きと呼ばれるLPC1768をライタにしてしまう方法や、WindowsでバイナリをHEXに変換してFlash Magicやlpc21ispというツールを使うのがあるので、このLPC1114FN28はごく簡単に扱える便利なプロセッサであります。
前回と同じように液晶やロータリーエンコーダーなどを載せた基板をつくり、DDSは中華製AD9850モジュールを載せてみました。AD9851とはクロックの6倍オプションがないだけでコマンドは全く同じです。ロータリーエンコーダーを回すと周波数が変化するようにプログラミングしVFOとしての機能を実装しました。実験基板が動作している様子です。余計なものがいろいろくっついていますが、あくまで実験基板なので・・・。

LPC1114FN28にbinを書き込んだ後、電源を投入するだけでプログラムが実行されます。AD9850のモジュールは125MHzのクロックが搭載されており40MHzくらいまではいけそうです。実際に7MHzの信号を出力させるとLPFなしでもハーモニクスはだいぶ小さくなっていました。0〜50MHzの様子です。20dBのATTを通して計測しています。

かなり信号純度が高い。ところが、1.5GHzまで見ると370MHzのところに結構な強さのスプリアスが発生していました。

この辺はLPFを入れれば綺麗に除去できると思います。スパン1MHz幅の7MHz近傍を見ると、

スペアナのC/Nが大きいので何を見ているのか分かりませんが、若干気になるかなというレベルでした。基準クロックのC/Nに左右されるのでしょうね。まぁ値段相応なのかなと。

これでプロトタイピングがほぼ終わったので少しコンパクトにして再実装したいと思います。完成まで先が長いですね・・・(汗)