JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

電子工作に関する書籍 その1

以前の日記で全く同じタイトルのエントリを作りましたが、写真を入れて再掲しました。ご笑覧下さい。

  • THE ARRL HANDBOOK 2009/ARRL刊


タイトルだけ見ると何のハンドブックなのか意味が分からないのですが、アマチュア無線や高周波技術に関するハンドブック本で、毎年発行されています。いかにも洋書のハンドブックにありがちな、装丁が安っぽいのに分厚くて大きな版の本ですが、全ページがPDFで収められているCD-ROMも付属しますので助かります。2009年度版で第86版になるそうです。
中身はアマチュア無線に関する高周波技術が満載で、回路技術のページだけでなく、各モードの運用法やトランシーバーのセッティング方法なども書いてあります。トランシーバを構成する各回路の技術に関して製作例も示されていて分かりやすいです。パワーアンプの部分では真空管の実装法も書いてありますね。唯一不満なのが、混合/変調/復調の項をもう少し充実して貰いたかったです(送受信機を設計する上で最も重要なので)。
日本でもこのようなハンドブックを発行して頂きたいものです。切に願います。


だいぶ古い本ですが、先のARRLアマハンに当たる本と言えばこの本でしょうか。第一版が昭和34年ですから、回路は全て真空管回路で6146のTXを作るときにはずいぶんと参考になりました。タイトルに「ビギナース」とありますが、決して初心者向けではありません。いやしかし、この時代のハムは自作が当たり前だったので、このレベルの内容がビギナーなのかも知れません。とにかく読んでいてとても楽しい本でした。神田の古本街で見つけてきました。

  • 送信機の設計と製作/CQ出版KK刊


これも昭和40年代の本で、往年のハムにとってはとても有名な本らしいです。著者の梶井謙一氏(JA1FG)はJARLの会長も務められた著名な方です。今となっては真空管で送信機を作るにしてもマトモな教科書がありませんので、この本と先の日米のアマハンでずいぶんと勉強になりました。特に終段マッチング回路の設計が丁寧で分かりやすいです。実は入手にはずいぶんと苦労しました。

  • V.UHFハンドブック/CQ出版社刊


これもずいぶんと古い本で、VUHFの記事を抜粋したCQ誌の別冊です。まだ真空管全盛の時代ですから、1200MHzまでの真空管リグの製作例が載っています。また、真空管で作ったSSTVの送信機(冷蔵庫ほどの大きさ!)をどこかの山の山頂まで担ぎ上げて運用実験している記事が載っていたりして、熱すぎます。とにかく、50MHz以上の周波数を真空管でどう作ったらいいのかわからなかったので、本著の製作例を見るとよく理解できました。いつかは430MHzのリグを球で作ってみたいものです。

  • 高周波回路の設計と製作/CQ出版社刊


上記3冊が古典とすれば、鈴木謙次氏の本が現代版になるのでしょうか。実践的ですぐに作りたくなる製作例が少なくありません。当局は記事の中の4,5件を作りましたし、十分に実用的なものになりました。高周波ICの使い方などはとても役に立ちました。初心者の方はこの本から勉強されると良いでしょう。高周波回路が楽しくなります。


高周波回路の本でこれを外すわけにはいかないでしょう。内容はトロイダルコアによるインダクタの話ですが、インダクタの応用例が全て実践的で現代的な回路ですから、作りたくなる記事ばかりです。また、理論やデータも満載で、上の写真にあるように表紙がボロボロになるまで読み返しています(笑)。このような素晴らしい本が、現在日本語で読めるのは非常に幸運なことなのです。高周波回路をいじる人は絶対に読むべき本です。