JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

リチウム電池用電圧ドロッパ

久々にブログ更新です。正直ネタがないのと夜な夜なツイッターをやっているとブログを更新する意欲がなくなるんですよね(汗)。


当局は超お手軽移動や山岳移動の時にはFT-817で移動運用を楽しんでおるのですが、このリグの最大の欠点というべきのが、5W出力をキープすることが難しいことでしょうか。外部バッテリーに鉛シールドバッテリーを使いますが、運用を開始してまもなくすると電圧が12V以下になってしまいます。すると5Wでは運用できなく2.5Wが最大出力になってしまいます。まぁ5W→2.5Wじゃ相手のSメータ1つ分のQRPに過ぎないのですが、どうにかならないものかと色々調べていると、スイッチングレギュレータで14Vへ昇圧する方法と、電源電圧の高いハイパワーリチウム電池を使う方法が有望のようです。前者はノイズが出そう・効率が悪そうなので、電動リール用のリチウム電池を、かなり高価(FT-817の実売価格に匹敵する)ですが買っちゃいました。早速充電し開放端子間電圧を調べるとなんと18Vもある。FT-817につないで送信状態にしても16.6Vを示しました。


これではFT-817に負担がかかるはずだから、瞬時の使用には問題ないけどCQランニングでは問題ありそうです。ツイッターで各局に聞いてみるとやはりマズイらしい(送信停止になるらしい)。トランジスタを使ったレギュレータでは入出力電圧差が苦しいし(少なくとも3〜5Vは欲しい)。消費電流は最大で1〜2Aなので放熱処理には苦労しそうにないので、ダイオードの順電圧降下を利用したドロッパを作ることにしました。
バッテリは使用すると電圧が低下してくるので電圧をモニタしながら、2.4V降下、1.2V降下、降下せず(スルー)のスイッチを切り替えてなるべくロスのない運用ができるようにしました。

ダイオード6A05という5Aのシリコンダイオード。大容量の整流ダイオードにはショットキバリアダイオードの方が入手しやすいですが、ショットキの順方向電圧は0.3Vくらいしかないので使いにくいです。またダイオードブリッジの方が少々値段が張りますが、10Aくらいの大容量のものが入手しやすいと思います。安全のためにヒューズも付けました。

回路図は書くまでもないですが、要するにダイオードを最大4つほど直列につなげているだけで、電圧差×消費電流だけ損失させています。これはバッテリーのパワーを無駄にしているだけなのですが、リチウム電池の電圧が高すぎるので仕方ありません。FT-817の内部で熱にするよりは安全というわけです。なお、バッテリーを消費しているうちに電圧が低下しますので、低下してきたら電圧差を減らしていけば損失分は小さくなります(スイッチで切り替えます)。

バッチリ13Vに降下させることができました。
先日(7月24日)、ローカル各局と千葉の鋸山(安房鋸南町)にハイキング移動運用に行ってきましたので、その時に使ってみました。運用バンドは50MHz SSB。約1.5時間ほどの運用です。

特に問題なく動きました。フルパワーの5W運用でしたが、たった1.5hの運用だったので電池容量は満充電のまま(苦笑)。これじゃリチウムを持っていた意味がなかったです(苦笑)。
約40局の運用で伝搬コンディションが悪く他エリアとのQSOができませんでしたが、なかなか面白かったです。あまりの暑さと普段の運動不足が祟って、下山時にちょっと体調を崩してしまいました。


追記:作られる方へ

これはあくまでFT-817のように1A程度で動かすドロッパです。10W以上のパワーの出る無線機での運用の場合は、ドロッパの放熱対策が必要ですから、ネジ止めできるダイオードダイオードブリッジがFB)を使用してよく放熱してください。ダイオードブリッジの整流側端子を使えば、ダイオード2ヶ直列分の電圧降下になります。放熱計算をして必要な放熱板を付けてください。あと、スイッチの接点容量も増やしてください。