JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

リチウムイオンバッテリーの活用

移動運用、特に山岳移動で使うバッテリーには軽くてハイパワーのリチウムイオンバッテリーを使っています。無線機用のバッテリーとして使うなら12〜14Vくらいが最適であるわけですが、釣りの電動リール用のバッテリーがまさにぴったりです。容量は様々で5〜20Ahがよく出回っており、以前からいろいろなバッテリーを使ってきました。
これまでダイワのスーパーリチウム 9200WP-L-NPROXのLIB6600ガンガンバッテリーなどを使ってきましたが、重さ・価格・使いやすさの点でバランスが良かったのが、八洲電業のFishingCubeシリーズです。手持ちのFishingCube達をどうぞ(笑)。

多くは12Vタイプです。実は無負荷時でも11.5Vくらいなので、バッ直(昇圧DC-DCなし)でリグの電源としては適当ではありません。最近のDSP機を動かすとバッテリー容量を20%も使い切らないうちに電源が落ちると思います。FT-857などのアナログ機ならば20Wのパワーでバッテリー容量50%まで余裕で使うことができますが。
そこで最近出回っているセルが1本分多い14.8Vタイプのを使っています。上の写真だと一番上のものが14.8V 20Ah、一番下のが14.8V 10Ahです。14.8V 20Ahは重量がたった1.9kgなので鉛に比べれば圧倒的なパワー密度です。しかし14.8Vタイプは満充電時の無負荷時電圧が16V以上、20Wくらいの送信時でも14Vを超えるので、バッ直で運用すると無線機が異常に発熱したり故障の原因となりそうです。本来ならスイッチングレギュレーターを使いたいところですが、(損失がもったいないですが)手軽にSiダイオード3直列をバッテリーとリグの間に挟んで電圧を1.5Vほど落としています。なお電池容量が減ってきたらバッ直運用へ切り替えています。

FT-857の場合、20W送信時に約4.5Aほど流れるので、ダイオードの損失は約7Wです。600V 10Aの整流用ブリッジを3℃/Wくらいの放熱器をつけて電圧ドロッパとして使っています。無負荷時(受信時)のリグ電圧は14.2Vで、

20W送信時に13.0Vなのでまぁいいところでしょうか。

50W送信時(8A流れる)でもリグ電圧12V以下にならないので結構実用的です(山岳移動で50Wは出しませんけど)。いずれはスイッチングレギュレーターにしようかと思いますが^^;

鉛に比べれば良い所だらけのリチウムイオンですが、いくつか注意点があります。以下の注意を怠ると再起不能になってしまいます・・・
リチウムイオンバッテリーの注意点

  • 長時間保存する(使わない)ときは、バッテリー容量50%程度にしておく。空の状態には絶対にしない。
  • 自己放電するので保存時にバッテリー容量をこまめにチェック。
  • 充電器は専用のものをかならず使う。
  • 160Wh以上の大容量のものは飛行機に持ち込めません(14.8V 20Ahはオーバー)。

実は仕事でリチウムイオンバッテリーのとある部品の開発に少しだけ携わっているのですが、日進月歩の世界、まだまだ改良・改善の余地の多いものなんですよね・・・今後安くて高性能なリチウムイオンが出てくると思います。