JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

ランド基板の作り方

電子回路の実験や試作に便利なランド基板をご紹介します。

このランド基板は、ランド一つあたり4,5点のディスクリート部品を置くことができます。ランド間隔を2mm程度にすると3216や2012などのチップ部品を実装することができます。スルーホールのユニバーサル基板と比較すると、部品の交換が容易で、配線が全て表面に見えるので回路図通りの回路を組みやすく、確認しやすいことも利点です。
ただし、部品を支えているのはハンダのみで機械的強度がありません。ブロックコンデンサなど足が短くて大きい部品を実装するのに難儀します。配線長が長くなってしまうことがあるので高周波回路にあまり向きません。あくまで試験回路の動作確認程度です。

作り方は至って簡単で、普通に銅箔基板をエッチングします。
パターンはパワーポイントなどで図面を書いて、紙(普通の紙がよい)に印刷します。写真の例では1mm方眼紙に印刷しておりますが、これはランドと基板の大きさが一目で分かるようにしているためです。
基板をカットし、銅箔面をスチールウールなどでよく磨いて綺麗にします。コレをサボるとエッチング不良になりますので、注意して下さい。この作業以降は、銅箔面を素手で触ってはいけません。
幅広の両面テープを銅箔面に張り、その上にパータンを印刷した紙を貼ります。
下の画像は、左から洗浄した生基板、両面テープを張った板、紙を貼った板、なります。

カッターでパターンをカットします。まずは、長辺方向を先にカットし、パターン箇所を残して剥離します。

次に、短辺方向をカットし剥離します。これでレジストパターンができました。

エッチング工程です。エッチングのコツは塩化鉄の濃度と液の温度です。濃度は45〜55%、温度は45〜60℃です。古くなると(濁ってくる)エッチング力が弱りますので、塩化鉄を足すか、思い切って浴を新しくしましょう。
基板を浸け放しにしてもエッチングされません。とにかく浴液をよく攪拌しましょう。浴を揺するだけでよいです。パターンの紙の上に泡が付いたままになっているとエッチング不良になりますので、泡が付いていないことをよく確認します。また、浴液は何でも酸化させますので、金属に絶対に触れないようにします。

エッチングが済んだらよく水洗いし、紙ナプキンなどで水気を拭いたら、濡れたままパターンを剥ぎます。濡れていた方が剥離が楽です。
出来上がった基板は、そのままにしておくと、銅箔面が腐食してしまいますので、フラックスを塗っておきます。これで完成です。