JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

パッシブDBMによるSSBジェネレータの実験

フェライトビーズで作った伝送線路トランスと個別のショットキバリアダイオードで高性能な二重平衡変調器(DBM)が出来ることが分かったので、早速SSBジェネレータをこしらえてみました。50MHzのトランシーバーを想定していて、キャリア周波数には14.318MHzにしました(クリスタルを大量に持っているので)。

コンデンサマイクの信号を汎用オペアンプで増幅しAF信号とします。LOキャリアににクリスタルを変形コルピッツ、2SC2669で発振させて、2SK439でタンク同調増幅した後、2SC2458のダーリントン接続エミッタフォロワでバッファするという、凝っているわけではないが面倒くさい回路を狭い基板に組みました(狭すぎてTO-92の石で組めなかった)。一応、インピーダンスマッチングを気にするために、DBMの前に-3dBのパッドを挿入しています。
DBMにはFB801#43をコアにして0.2φトリファイラ4Tの伝送線路トランスと1SS106クワッドペアで作りました。ダイオードの順方向電流を調べて(電源電圧3V、直列抵抗1kΩ)、小数点第2桁まで特性を揃えてペア選別しました。DBMの後には、2SK125×2並列のGGタンクコイル負荷アンプで増幅してあります。

実際の音声で生成させたDSB波の波形を観察しています。この基板に、FT-817を近づけて14MHzのUSBを聞いてみると、割ときれいに音声が復調されています。変なビートも出ていないので、キャリア漏れも少なそうです。
後段にはクリスタルラダーフィルタを実装していますが、まだつないでいません。フィルタ特性がよく分からないまま進めてしまうのは問題がありそうなので、勤め先でスペアナを使わせてもらってから実験を進めたいと思います。

今回、ユニバーサル基板にはサンハヤトの紙エポキシ銅箔メッシュアース基板(ICB-96DSE)を使ってみたのですが、はっきり言ってハンダのノリが悪くどうも具合が悪いです(特に部品面の銅箔)。値段が倍以上になりますが、ガラエポスルーホールメッシュ基板(ICB-93SEG)の方がずっと使いやすいです。

当初は、DBMにNE602やLM1496などの半導体ミキサICで作る予定でしたが、パッシブの方がキャリア漏れを極めて少なくでき、自作っぽい感じになるので、全てパッシブDBMで行こうと思います。実験を進めているうちに、高周波混合回路の勘所をつかみつつあるので、時間があれば一気に作っていこうかと思います。