JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

コンプリ差動ローコストDCアンプ

前回、少しご紹介しましたが、“とにかく低コスト”なDCアンプを作って遊んでいます。今回は回路を少し改めまして、初段をFETのコンプリ差動の対称回路にしました。これも黒田先生の回路を参考にパワーアンプへ発展させました。

半導体はなるべく汎用品をつかっています。初段は2SK330/2SJ105、プリドライバには2SA992/2SC1845、出力段は2SA1358/2SC3421+2SA1941/2SC5198のダーリントンコンプリエミッタフォロワーとなっています。終段は2SA1302/2SC3281なども手持ちにあるのですが、リニアリティは2SC5198の方が抜群によいのがデータシートからも読み取れます。素晴らしい特性の石です。しかも安い。
抵抗類は全て秋月の1円抵抗で、なるべく低コストを図りました。ユニバーサル基板も秋月のを使い、両チャンネルを1枚の基板に実装するために、結構高密度で部品を配置しました。上下対称回路なので、部品の配置も上下対称です。美しい上にはんだ付けも間違えにくいです。
終段トランジスタのアイドリングを50mAにセットしました。これ以上流すとエミッタ抵抗を0.33Ωにしているものの、放熱と暴走の面で心配です(温度補償バイアス回路なしなので)。一般に放熱器は高コストの種です。今回は低価格を狙うために2mm厚×70mm×150mmのアルミ板だけですが、今回の規模のアンプならば問題ないようです。
VRや端子類も一番安いものを使っています。この辺の部品は結構デリケートに音質に影響するので、本来ならばお金を掛けるべきなのですが、今回はグッと我慢です(苦笑)。

電源は東栄変成器の30V2Aのトランスを15Vタップで2電源の構成にしました。レギュレーターはごく普通の正負両電源の誤差増幅式です。石はアンプの石と同系列の2SC5196を使っています。負電源の方はコンプリである2SA1939が手持ちになかったので、苦肉の策で、インバーテッドダーリントンにして同じく2SC5196を使いました。±15Vに安定化してアンプへ供給しています。これ以上の大電流を扱うとなると、スイッチング電源の方が安価になると思います。いっそのこと、金田アンプのように乾電池で駆動させた方が安く上がると思いますが、動作点をB級にしないと全く実用になりません。

ケースは近くのパーツ屋で特価品(角にキズが付いていて安かった)で売ってたヤツ。外観は本当に安っぽいですね。しかし、肝心の音の方は、しっかりと重厚でスピード感のある音で、さすがはDCアンプです。1kHzの歪み率は1W出力時で0.003%以下になりました。f特も100kHz近くまでほとんどフラットで電気物理特性は言うことなしです。

肝心の本アンプの費用ですが、現在計算中です(値段が思い出せない部品がある)。たぶん、1万円以内に収まっています・・・・。