JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

135kHz帯発振器の作製 その2

先日、135kHz帯のアマチュア新規分配が正式に決まったそうです。135kHz帯の発振器は、前回20MHz付近の水晶で発振した信号をロジックICで適当に分周して作るという、いい加減な記事を載せましたが、このバンドの周波数範囲は135.7〜137.8kHzとのことですので、新規分配を記念して、この範囲でQRVできるVXOをちゃんと作ることにしました。と言っても、数時間ででっち上げたブツなので、やっぱりいい加減かも(苦笑)。

まず、原発ですが、手持ちの関係上、19.6608MHzの水晶にしました。この妙に中途半端な周波数はどうやら時計用に開発されたモノらしく、割と入手が容易と思われます。これを144分周すると136.5kHzになりますので、ジャストミートでございます。しかし、144という数字がクセモノで、素因数分解すると、144=2×2×2×2×3×3となりまして、2×2×2×2の部分は4ビットのカウンタで簡単に分周できます。しかし、3×3の分周がやや面倒くさいです。専用のICではなく、分周の基本回路であるフリップフロップ回路で簡単に実現できますので、部品点数が多くなりますが、個別のFFを組み合わせてなんとかなりそうです。

まずはVXOの部分ですが、コルピッツ発振回路で水晶をトリマコン直列にして発振させました。しかしながら、トリマコンを回してもほとんど周波数が変わってくれません。回路定数がいじればなんとかなりそうですが、後回しです。発振トランジスタはfT=600MHzでhFEも大きめな2SC2668を使いました。後段に同Trのエミッタフォロウでバッファ回路を付けました。電源電圧を12VにすればVppが約8V程度の信号が得られました。CMOSロジックを駆動するには十分な電圧です。


上の写真は原発の信号です。かなり歪んじゃってますが、ロジックに入れてしまう信号なので整形する必要はありません。

次に、4ビットのバイナリカウンタ74HC161で16分周し1.2288MHzへ周波数を低下させます。この程度のロジック回路では何も考えなくても簡単に動いてしまうので、実に楽です。ちなみに、4000シリーズのCMOSでは動きませんので、かならず74HC以上のクラスのICを使いましょう。

次に問題の9分周のロジックです。手持ちの関係でJK-FFの74HC109を2つ使って3×3の分周をやりました。論理の都合上、出てきたシグナルのデューティ比が33%になっちゃっていますが、後段にタンク回路を通して正弦波に戻す回路を繋げる予定なので、あまり気にしなくても良いと思います。矩形波の上にノイズらしきものが乗っていますが、これは原発由来の高調波が重畳しているためです。これも後で取り除けます。
当たり前ですが、原発が水晶発振、ロジックで144分周しているのでかなり安定に発振しています。

パワーアンプとLPFがあれば送信機ができますね。いつか作ろうと思います。