JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

スーパーヘテロダインFMラジオの製作

CQ出版社刊、鈴木憲次氏の『ラジオ&ワイヤレス回路の設計・製作』という本を読んでいて唯一作ってみたい製作記事がFMラジオでした。これは実用的なスーパーヘテロダインで、モノラルですが中間周波増幅と検波回路は専用ICで組まれているので構成が非常にシンプルです。今回、FM用ポリバリコンが手に入ったので(実はパーツボックスの奥底にあった)、まずはバラックで作ってみました。

本回路の特徴は、高周波増幅なしで周波数混合と中間周波増幅をRF用トランジスタディスクリートで組んで、TA7130という東芝のFM用ICで中間周波増幅、リミッタ、検波回路を実装します。低周波増幅ではおなじみのLM386で簡単に済ませます。
製作記事によるとプリント基板で作りなさいとありますが、面倒なのでいつもの秋月の激安基板(一応ガラエポ)で組んでしまいました。
AMでもFMでもスーパーヘテロダインは調整が難しいものですが、FMトランスミッタがあれば簡単便利でした。CDプレイヤにつないで指定した周波数で音楽を飛ばせば簡単にトラッキングと感度の調整が可能です。そういえば、調整の作業中、セラミックフィルタを指でつまむと、なぜか中国語らしき音声がスピーカーから出てきました。バリコンやコイルをいじっても、復調の程度が変わらないので、どこかから回り込んできたのでしょうか。不思議で今夜眠れないかも知れません。
余談ですが、この本にはミスプリントの類が多々見受けられます。このFMラジオの実体配線図には少なくとも5箇所間違えがあり、回路図を読まないで組んでしまうビギナーの方には、絶対に失敗します(苦笑)。あと、FCZコイルの向きや回路内の電圧が書いてなかったりなどの丁寧さに欠けます。

さて、バラック配線で、トラッキング、中間周波の調整を済ませましたが、FM検波の調整がうまくいきませんでした。どうしても音が歪むのです。1時間くらい悩みましたが、金属ケースに入れてみると万事解決。やはり高周波回路ですからケーシングは重要なのですねぇ。

同氏の『高周波回路の設計・製作』という別の本では、ステレオFMラジオの記事があり、いつかは挑戦してみたいです。