JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

三菱RFパワーFET RD15HVF1で実験

前回、三菱RFパワーFET RD06HVF1を使って、シングル及びプッシュプルの広帯域リニアアンプを実験してみました。(ドレイン効率が思ったほどよくなかったものの)安定して動作するものが簡単にできました。現在設計中の50MHzSSBトランシーバーに実装するとなると、別に広帯域である必要がなく、50MHzモノバンドのリニアアンプを考えています。前回の実験では、Po=6WのRD06HVF1を使いましたが、ワンランク、ドレイン損失の大きいPo=15WのRD15HVF1を使ってみることにしました。

トランジスタのRFアンプを設計する際にいつも問題になるのが、入出力インピーダンスが50Ωからかけ離れているということです。本FETのデータシートを見ると、50MHzでのS11(入力反射係数)が0.717∠-145.9°、S22(出力反射係数)が0.556∠-130.2°と読めます。すなわち、入出力インピーダンスがそれぞれ8.993-j14.8Ω、17.042-j20.951Ωになります。FETのドレイン損失が大きくなるほど、これらインピーダンスが低くなってしまいます。
今回は狭帯域のアンプなので、教科書通り、50MHzインピーダンスが50Ωになるようにスミスチャートを使ってLCマッチング回路の定数を決めると、入力側が+110nH//135pF、出力側が+140nH//90pFとそこそこ大きいリアクタンスを必要としますね。うまく行くのか不安ですが・・・。
とにかく、トロイダルコアと高耐圧セラミックコンデンサで試作回路を作ってみました。ゲートバイアスには3端子レギュと半固定抵抗で簡単に済ませています。


とりあえず、入力インピーダンスはドンピシャで整合しました。ところが・・・・ゲートバイアスをあげてドレイン電流を0.5A以上にすると・・・・あぁ、自己発振。約260MHzでひどい自己発振。ゲートを0Vに戻しても発振が収まらないほど暴走します(苦笑)。PAに関しては正直ノウハウ不足です。試行錯誤が続きそうです。