JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

SSBジェネレータの実験 その5

特性の優れたミキサを調べていて可能ならば入手して実験していますが、高周波ミキサなんぞアマチュアの電子工作マニアにとってはかなりマイナーな部類に入るので、入手しにくい部品のようです(苦笑)。
ギルバートセルの回路図を眺めていたら、ディスクリートで作ってみよう、と思うのは当局だけではないようでしょう。差動回路なので特性が揃っていないとダメなのはわかっているのですが、何事も実験、バラックですが作ってみました。

石はSS9018という一応fT=1000MHzあるRFのバイポーラで(2SC1906みたいな特性の石です)、1ヶ2円くらいで売っているものですから実験用には最適。意味はあまりなさそうですが、一応hFEでペア選別しました。かなりのバラつきようで、選別作業にえらく手間取りました(汗)。本当ならば定電流回路でエミッタを引っ張るのでしょうけど、面倒なので抵抗1本で接地した回路でやってみました。DCバランスの半固定VRを付けてみたものの、どうにもキャリアバランスが取れず、キャリア周波数10MHzあたりではキャリアサプレッションが5〜10dB程度。変調信号のスプリアスもでまりくで、まったく使い物になりません。こんなミキサでオンエアしたら従事者免許剥奪になるかも。キャリア周波数を500kHz程度に下げると一応20dBくらいになりました(下の画像)。実装方法に問題があったのか石の選択が悪かったのか?ディスクリートのミキサで試したい回路や石があるので、もうちょっと実験してみます。
なお、サイドバンドがブロードになっていますが、これは当局のAF発振器の位相雑音が大きいためで、実験回路やスペアナのせいではありません(本スペアナは-120dBmまでクリアに観測できます)。

※2017/10/11 追記
典型的なギルバートセルの回路図を載せます(ARRLアマハン第10章より抜粋)。