JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

旧式トランジスタ色々 その2

真空管と違って、トランジスタなどの半導体部品は(海外製も含めると)品種が非常に多く単一のメーカーのみで製造している場合が多いので、製造中止になると入手が非常に困難になります。真空管の方がまだ入手が容易だと思います(超古典球や博物館行きの球は除外)。基板にハンダ付けされたトランジスタは使い捨てられる運命にあります。
従って、パーツ屋で珍しい古い部品を見かけると(且つ値段が安いと)、つい買ってしまいます。そしてその石のためにDCアンプを作ってしまいます。もちろん、プロの現場では、現行品からパーツを選んで設計しなければならないのですが、アマチュアには、入手が困難な古いパーツをあえて使ったりすることが特権的に許されているのです(笑)。

仕事の都合で某所に出かけていたのですが、帰りにパーツ屋に寄り道していくつか入手してきました。

2SK150

1チップデュアルタイプの接合型FET、2SK150です。ほとんどのアンプには、初段にFETの差動増幅回路が採用されますが、入力オフセット電圧を小さくするためには、これら2つのFETの電気特性が非常に類似している必要があります。2SK150はシリコン単結晶チップの上に2つのFETが形成されているので、熱的平衡と雑音特性に優れ、高級オーディオの初段差動増幅器の要請に応えるデバイスです。他に似たような石に2SK240や2SK389などがありますが、どれもとっくに製造中止になってしまったので入手が難しいです。特に2SK150は難しいと思いますが、あるところにはまだたっぷりとあります。

2SA571/2SC97A

ft=350MHzもあるので高周波増幅用ですが、オーディオのドライブ段に使われているようで、コンプリで入手しました。Vcbo=80V/Ic=1A/Pc=0.8W/hfe=80〜120となって、ドライブ段には使いやすい規格になっています。

2SC154A

これはほとんど捨て値で売られていたので、つい買ってしまいました。規格を見ると、Vcbo=150V/Ic=100mA/Pc=750mW/hfe=35〜200/ft=150MHzなので、高周波向けのごく普通の小信号増幅という石のようです。2石スーパーラジオにでも使おうかしら。