JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

部品箱拝見(3) ゲルマニウムトランジスタ

以前、手持ちのススム抵抗を紹介したら結構反響があったので、このシリーズを続けようと思います(汗)。ですがあまりネタがありませんので少しずつマニアックな部品を紹介します。今回はゲルマニウムトランジスタ(ゲルトラ)です。


御存知の通りごく初期の時代のトランジスタは主にゲルマニウムで作られていました。したがって、2SA***とかEIAJ型名の若い番号のトランジスタの多くはゲルトラです。構造としてはほとんどが合金接合型か拡散接合型です。単結晶シリコンが大量に製造できるようになってからは、一気に高性能になり、ゲルトラは滅んでいってしまいました。


特別集めているわけじゃありませんが、なんとなく集まってきたのでちょっとご紹介します。いずれもジャンク屋さんで手に入れたもので、おそらく1本数十円もしないと思います(福袋的なものに入っていた石も多数あります)。


数が多いので、まずは2SAシリーズのいくつかをお見せします。

2SA100。高周波IF変換、混合、発振用。Vcbo=-40V, Ic=-10mA, Pc=60mWとなんとも頼りない石です。hfe=150, fab=20MHzと、ホントにRF用?と疑いたくなりますが、Cob=1.7pFなので一応RFなのでしょうか。rbb'(ベース拡がり抵抗)=100Ωと高い。これがゲルマですね(汗)。



2SA101。上の2SA100とほとんど同じですが、hfe=30, fab=15MHzと性能は一回り低いものとなっています。廉価版なんでしょうか?



2SA202。IF変換用。Vcbo=-15V, Ic=-15mA, Pc=100mW, hfe=55, fab=12MHz, Cob=11pF。データシートによると455kHzのIFでPG=34dBとありますので性能は十分でしょうか。CobがIF用途の割に大きいような気がします。



2SA239。RF用途。Vcbo=-20V, Ic=-5mA, Pc=75mW, fT=200MHzとこれは本格的なRF増幅用途ですね。100MHzでPG=14dBとありますので、FMラジオやテレビのフロントエンドに使われたのでしょうか。ちなみにこの石はメサ構造です。足が4本あります。



2SA351。RF発振用。Vcbo=-20V, Ic=-10mA, Pc=80mW, hfe=70, fab=40MHz, Cob=2.5pF。これは拡散型構造です。型番が進んでくるとちょっとは高性能化していますね。


次回は2SBシリーズです。