JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

IC-7400液晶バックライトの修理

先日いつものように家で無線をやろうとIC-7400(当局のメイン固定機)の電源をオンにすると、画面が寂しい状態になりました。

液晶パネルのバックライトがつかないのです。さっそくツイッター各局に聞いてみたところIC-7400でよく起こる故障らしいとのこと。液晶パネルのバックライト用のインバーター制御のトランジスタが昇天しているのが原因。
我がIC-7400は4年前に買ったものなので保証期間はとっくに過ぎてます。休み中ヒマなので自分でリペアすることにしました。幸い、自分で直されているページも教えてもらったのでこれを参考にやってみました。本ブログではもうちょっと丁寧に順を追って修理の過程をお見せします。参考になれば幸いです。


真似される方、もちろんown riskでお願いします。ICOMに問い合せたりしないでください。各自の責任でお願いします。


まず、IC-7400の前面パネルのツマミ類を外します(あっけなく取れます)。天板・底板のビス、ハンドルのビスも外します。

シャーシとパネルを繋いであるビスも外します。フラットケーブルが1本接続されているので注意。

前面パネルが外れたら、基板とパネルを外します。この爪の部分(左右上下4つ)で引っ掛けているだけなので、この爪の部分を押しこんでしまいます。

左のVR2個(AF/RFゲインとノッチフィルタ)のVRを締めているナットを外します。メインダイアルのネジも外します(ダイヤルの滑りを調整するヤツ)。すると基板が外れます。フラットケーブルがいくつかあるので注意深く外します。

右上のシールドボックス(大きい方)がインバータ回路ですね。このシールドボックス天板を外します(工具いりません、ハメているだけ)。

この左上の2SB1201が問題のブツです。これが昇天しちゃっているんですね。
2SB1201はスイッチング用のパワトラです。Vcbo=-60V, Ic=-2A, Pc=0.8Wですが、あれだけ明るいバックライトを光らすには物足りない定格ですよね。こりゃ壊れますわ。しかも表面実装で銅箔パターンにコレクタをつけて熱を逃がしているだけのようです。

というわけで、もうちょっと定格の大きめの石をパーツボックスからつまんできました。スイッチング回路なのでよっぽど変なものじゃなければ動きますってことで、たまたま目についた2SB1015Aに換装することにしました。

Vcbo=-60V, Ic=-3A, Pc=2Wです。hfeが小さめですがまぁいいでしょう(笑)。フルモールドなので工作が楽ですし。
元の2SB1201は表面実装なので取り外すのが難しいで、石は付けたまま、ニッパーで足を切ってバイパスすることにしました。このようにリード線で各端子を取り出します。

2SB1015AはTO-220の石なのでシールドボックスに取り付けて放熱してしまうことにしました。3mmΦの穴をあけて(鉄くずの処理に注意)しまいます。

一応、シリコン放熱グリスを付けて石を取り付け、先程のワイヤをハンダ付けして終了です。配線長が長いと意図しない誤動作を招くことがあるので、ベース端子のリード線にフェライトビーズをかませました(気持ちの問題です)。

組み立てて、電源ONで確認します。全部組み立てる前に確認したほうがよいと思います。各種フラットケーブルのつなぎ忘れに注意してください。