JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

135kHz帯発振器の作製

近々、135kHz帯がアマチュアに割り当てられるとのことで、各局QRVされているかと思いますが(?)、当然市販のリグが存在しないので、とりあえずは送信機を自作し、お上に認定して貰う必要があるかと思います。
135kHzという波長の長さから言いますと、オーディオ帯域とさほど変わらないので、高周波技術的な難しさは、空中線を除いて、ないと言って良いでしょう。パワーアンプに至っては、終段のコンプリエミッタフォローからエミッタ負荷プッシュプルにして、プッシュプル出力を伝送線路トランスで合成して、インピーダンスマッチングに改造すれば、オーディオ用アンプをベースにすぐにでっちあげられそうです。

何はともあれ、送信機にはまず発振器が必要になります。発振器の回路はLCでもVXOでもPLLでもDDSでもよいのですが、このくらいの周波数ならば、既存のVFOの出力をロジック回路で分周してしまえば、ものすごく簡単に作れてしまいます。それをやってみました。

ロジックICには分周器(ディバイダ)として有名なC-MOSの74HC161を使いました。このIC一つで2,4,8,16分周が可能です。従って、原発周波数を270kHz, 540kHz, 1080kHz, 2160kHzのいずれかに設定すれば135kHzを作ることができます。そんな具合で、手持ちの原発から適当に分周させて135kHz近辺の信号を作りました。本回路ではたまたま20MHzのクロック発振器がありましたので、これを実装し、74HC161とIC内のディバイダで分周しています。
ロジックから出てくる信号は矩形波なので、このまま増幅しても(スプリアス輻射の観点から)具合が良くありません。そこで、バッファを兼ねて、トランジスタのタンク回路負荷で正弦波に整えます。基板の上方に乗っているFT-50#77のトロイダルコアコイルがそのタンクコイルです。この時、トランジスタの動作点をいじると逓倍することもできます。

今回の例では、矩形波の周波数を2逓倍して出力した方が綺麗な正弦波が出てきました。
このように、135kHzのような低い周波数のVFOがない場合は、分周してしまえば、非常に簡単に信号を作ることができます。この信号を励振、電力増幅段へ送って、ローパスフィルターに通せば、立派な送信機が出来上がります。



10.135MHzのVFOがあれば、10MHzのクリスタルコンバーターで135kHzの信号を作ることができます。実際はクリコンのほうが運用面で簡単そうです(苦笑)。