JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

ミニFET DCアンプ

以前、ミニサイズの初段オペアンプ終段FET DCアンプの記事を紹介しました。終段FETを2SK1530/2SJ201から、IRFP140/IRFP9140に変えて改造中です。ご存じのように前者は東芝製HiFiオーディオ用のパワーMOS FETであり、Vthが低く・広いIdにわたってリニアリティが高く・コンプリメンタリ性も高い、実績の高い石であります。一方、後者はインターナショナルレクティファイア製のスイッチング用パワーMOS FETであり値段が安いという理由もあるせいか、様々な用途でよく使われているようです。あくまでスイッチング向けなので、Vthが高くRds(on)が低く、ドバッと電流を流したいときには良いかも知れませんが、Qg, Ciss, Crssが比較的大きいのであまり高速には動きません。この辺がどう音質に影響するのか、矩形波応答との相関性などを調べたいという理由もありました。


オペアンプにはJFET入力シングルのLF356を使いました。スルーレートが15V/usなので、オーディオで使っても満足の行きそうなスペックになっています。スイッチング向けのFETのバイアス電圧は大きいので、バイアス回路も少し変更しています。面倒くさいので温度補償はなしです。電圧ゲインはオーバーオールで20dBとしました。
コンパクトに収めたかったので、放熱器も2mm厚のアルミ板だけで、LRチャンネル2階建て構造にしました。アイドリング電流を30mAくらいならば熱暴走しないで動いてくれています。50mAだと1時間でだらだらとVgsが上昇し暴走寸前、150mAだとみごとに暴走してくれました(笑)。30も50mAも歪み率がほとんど変わらなかったので、30mAにして夏に向けて涼しいアンプにすることとしました。


チェンバロソロ(BWV825〜830)、室内楽(BWV1060, 1080)、カンタータ(BWV106, 131, 199)などを試聴(スピーカーはJBL4312)。音の粒立ち・解像度は良いのですが、生々しさは少し薄れたような感じです。