JF1DIR業務日誌(はてなblog版)

アマチュア無線局JF1DIRのアクティビティをつづっています。

FT-857でAH-4を制御してみる - Control Box for AH-4

ICOM製のオートアンテナチューナーAH-4は高性能で5m長のロングワイヤでも3.5〜50MHzで同調でき、回り込みにも強くなかなか使いやすいATUです。ICOM製のリグならばケーブル一本で制御できますが、他のメーカーのリグではそうは行きません。しかしATUの制御動作は実に簡単で、(1)リグのパワーを5〜10Wにする (2)連続キャリアを送出する (3) ATUのチューニングをスタート (4) チューニングが終わったらキャリア送出を止めて (5)リグのパワーを戻す、この一連の動作をしてあげればOKです。
従ってマニュアルでも可能です。連続キャリアをCWモードでキーダウンしてあげればOK。しかしいろんなボタンを押したりして操作が面倒です。特に移動運用で主に使っているFT-857ではパワー変更とCWのキー設定を変えるのが億劫です。

そこでこの一連の動作を可能とするコントローラを作ってみることにしました。
まずALC端子を使えば(1)と(2)の操作が可能となります。ALC端子のTX REQを接地するとモードに関係なく連続キャリアを送出しますが、5〜10Wへのパワー変更はALCに-3〜-5Vを入れることで可能です。しかし、負電源を作るのが面倒で、以前は009P電池を可変抵抗で落として制御していましたが、最近よく実験しているDC-DCを使った負電源で組み替えてみることにしました。
負電源を作るモジュールはいろいろ市販されているのですが(例えばココ)、汎用の非絶縁チョッパDC-DC電源ICのMC34063で簡単に作ってみました。この入力電源とAH-4への電源はFT-857のCAT端子から得ています。(回路図をクリックするとフルサイズになります)

ICOM AH-4 is a high performance ATU that can tune-up from 3.5 to 50MHz on a long wire. Then you can control it with a single cable, but not with transceivers by other manufacturers, e.g., Yaesu or Kenwood.
The control action of AH-4 ATU is really simple:

  1. Reduce the power of the transceiver to 5 - 10 watts.
  2. Send out the carrier.
  3. Start tuning the ATU.
  4. When the tuning is done, you have to stop the carrier.
  5. You have to set your transceiver to appropriate power.

I homebrewed a controller to enable this series of operations. Using the ALC terminal, you can do (1) and (2).
When the TX REQ of ALC ground, it sends out a continuous carrier. When the ALC voltage was set to about from -3 to -5V, the power of transceiver is reduced to 5 - 10W.
You have to prepare a negative power supply. This is quite tricky. I have an idea to use a DC-DC converter to provide a negative power supply.
"MC34063" general purpose non-isolated chopper DC-DC power IC is selected.
The input power for this circuit and AH-4 is obtained from the CAT pin of FT-857/817.


TUNEとCARとDC-DC電源のスイッチは一つのボタンにまとめても良いのですが、ALCをかけないでキャリアを送出するときもあるので(5Wでチューニングした後パワーを戻した時にSWRが跳ね上がらないことを確認するため)、独立させました。チューニングするときは、DC-DCの電源をONにして、TUNEとCARを同時押しします。チューニングが終了したらDC-DCをOFFにします。これで上の(1)〜(5)の一連の動作が完了します。

When tuning, turn on the DC-DC power and press the TUNE and CAR buttons simultaneously.



以前電池で動かしていたのですが、電池BOXを取り払ってDC-DC基板を入れてみました。DC-DCの出力は-5Vですが、半固定抵抗を調整し5Wになるように電圧を調整します。ALC電圧が-3.9Vのとき5W出力になりました。

Adjust this potentiometer so that the output of the transceiver is 5W. The ALC voltage is -3.9V, it becomes 5W output.